和歌山県那智勝浦町へ移住したら…失敗しないための暮らし・仕事・住居・支援情報

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町(なちかつうらちょう)で暮らす魅力を紹介します。

那智勝浦町は、世界遺産や自然、温泉が豊富で多くの観光客が訪れるまちです。移住すれば、歴史や文化、緑に触れながら豊かな移住生活が送れます。さらに子育て支援も充実しているので、ファミリーでの移住もおすすめですよ。

そして、地区の半分が移住者で構成されている地区もあるほど移住者が多いのも特徴です。

この記事では、那智勝浦町役場の観光企画課で働く土佐さんにお話を伺いながら、和歌山県那智勝浦町の特徴や暮らしの情報を解説していきます。

那智勝浦町の観光企画課で働く土佐京平さん

那智勝浦町の魅力は?特徴4つを紹介!

和歌山県那智勝浦町:暮らしの特徴

那智勝浦町には熊野古道があり、自然はもちろん歴史や文化も身近に感じられます。熊野古道以外にも海や川、温泉など、自然の恵みを感じられるスポットが多彩ですよ。

さらに、年間を通して待機児童がほとんどなく子育て支援が充実しているので、これから子育てを始める若い世代も暮らしやすいのが魅力。

なにより、移住者の数が多いので、移住の心理的なハードルが低い点もうれしいポイントですよね。

そんな那智勝浦町への移住におすすめな人の特徴は、次の通りです。

  • 世界遺産や神社、歴史が好きな人
  • 熊野古道の近くで自然に触れながら生活したい人
  • 山や海、川、温泉の魅力を存分に味わいたい人
  • 海の幸やまぐろが好きな人
  • 充実した子育て支援を受けたい人
  • 移住者の受け入れ実績が豊富な場所に移住したい人

それでは、なぜこのような方におすすめなのか、その理由となる特徴を解説していきます。

特徴1:世界遺産が豊富!悠久の歴史を感じながら自然に触れられる

熊野古道の大門坂

那智勝浦町では、自然と信仰が一体となった「熊野信仰」を身近に感じられます。

那智勝浦町には熊野古道があり、世界遺産の数が豊富。那智山青岸渡寺や熊野三山のひとつである熊野那智大社などがあり、休日には気軽に世界遺産巡りもできます。少し疲れたときや元気が出ないときに、古代から信仰を集めてきた神社や寺院にお参りすれば、きっと気持ちも整いますよ。

また、飛瀧神社の御神体である「那智の滝」は日本三名瀑のひとつです。日本一の落差がある滝から水が流れ落ちる様子には、神々しさも感じますよ。マイナスイオンもたっぷりなので、訪れるだけで癒されそうですね。

飛瀧神社の御神体である「那智の滝」
▲圧倒的な存在感を放つ那智の滝。見た人に深い感動を与える。

熊野古道のクライマックスにあたる「大門坂」は、樹齢百年を超える木々に囲まれた神秘的な坂で、約600メートルもの石畳が続きます。古代の人が歩んできた道のりに思いを馳せながら、大門坂を歩いてみるのもおすすめです。

毎週日曜日には、語り部と一緒に世界遺産を散策する「那智山周遊サンデーウォーク」も行われています。信仰の対象となるようなパワーのある自然に触れながら、熊野の歴史や信仰を学ぶこともできますよ。

このように那智勝浦町は、古くから信仰を集める歴史深い神社や寺院、自然に囲まれているので、日々を豊かに過ごせます。

特徴2:海や川でも自然の恵みを思いっきり満喫できる!

那智勝浦町のブルービーチ那智

「那智勝浦町といえば熊野古道」というイメージが強いかもしれませんが、実は熊野古道以外の自然も豊富。山と海が近く川もあって、自然の恵みを存分に味わえます。

海に関しては、環境省の「快水浴場100選」に選ばれた県下最大級のビーチである「ブルービーチ那智」で海水浴を楽しめるのはもちろん、ホエールウォッチングもできます。県外からもサーファーが来るようなサーフスポットもあり、海の満喫方法は無限大です。

さらに、町内にある勝浦港は延縄漁法による生まぐろの水揚げ量が日本一を誇ります。海岸通りや駅前周辺などにはまぐろの切り身を売るセルフ販売所があり、数百円という驚きの価格でまぐろの切り身を購入できますよ。まぐろが大好きな人なら、毎日でも購入したくなるかもしれません。

まぐろセルフ直売所の外観
▲まぐろセルフ直売所の外観

まぐろセルフ直売所でまぐろが売られている様子
▲お得な価格でまぐろを入手できる

そして、町内にはさまざまな温泉施設や足湯があり、県下一の177の源泉数を誇ります。日帰りで入浴できる施設もあるので、休日には温泉巡りも楽しめますよ。海や山などの自然を眺めながら、癒しのひと時にひたってみてはいかがでしょうか。

ホテル浦島の露天風呂
▲那智勝浦町内にある露天風呂から眺める夕焼け

加えて那智勝浦町では、川でも遊べます。たとえば「太田川リバーサイドサウナ」なら、全身で自然を感じることができます。テント内のサウナで汗をかいて体を温めたら、太田川へそのままダイブ。川の水温や吹きわたる風を感じれば、心身が「ととのう」感覚がわかるはずです。

このように、那智勝浦町は自然の恵みが豊富なまちです。豊かな自然に囲まれて生活すれば、生活の質も高まりますよね。海と山は40分ほどで行き来ができるので、1日で両方の魅力を堪能することもできるでしょう。

特徴3:魅力的な子育て環境が整っている!

那智勝浦町には、子育て世帯にとってうれしい子育て環境がそろっています。

まずなんといっても、子どもを豊かな自然に触れさせながら、のびのびと育てることができます。子どもは自然の中で思いっきり走りまわったり、遊びまわったりできますよ。ちなみに「自然体験の多い子供ほど情緒が安定しやすい」とする研究もあるんだそう。

また、那智勝浦町は年間を通じて待機児童がほとんどなく子どもの預け先に困る心配はありません。特に、共働き世帯にはありがたい環境ですよね。

さらに、那智勝浦町は子育て支援が手厚いのも大きな魅力。那智勝浦町における子育て支援の一部をご紹介します。

  • 子どもが生まれたら「那智勝浦町赤ちゃん誕生祝い金」を受け取れる。(第1子・第2子:5万円、第3子:10万円、第4子以降:20万円)
  • 中学校卒業まで、子どもの保険診療の自己負担分を助成してもらえる。
  • 学校へ通学するための、鉄道またはバスの通学用定期券・回数券の購入代金の2分の1を補助してもらえる。
  • 「産前・産後サポート事業」で、妊娠中の悩みや出産・子育てに対する不安を助産師に相談できる。
  • 「ベビーマッサージ教室」に参加できる。

赤ちゃんが生まれたとき、5万円以上の誕生祝い金が受け取れるのは特にありがたいですよね。出産後は赤ちゃんのための環境を整える必要があるため、かゆいところに手が届くような支援制度です。

このように、那智勝浦町は子育て世帯にとってありがたい環境がそろっており、子育てしやすいまちです。

特徴4:移住者が半数以上を占める地区もあり、移住しやすい環境!

那智勝浦町の色川地区は、半数以上が移住者で構成されている地区。似た境遇の人が多くいるため、移住への第一歩が踏み出しやすい環境です。

なんと色川地区全体の56%が移住者であるそう。これだけの割合で移住者がいる地区は、全国的に見てもかなり珍しいのではないでしょうか。

言い換えると、那智勝浦町は多くの移住者が集まるほど魅力的な移住先でもあるということです。那智勝浦町役場の土佐さんによると、主にファミリー層やIターン者を中心に、「自然環境」や「子育て環境」を求めて移住して来る方が多いんだとか。

移住者同士である点や「那智勝浦町が好き」という共通点があるので、移住者同士は自然と仲良くなりやすいのかもしれません。移住後は、那智勝浦町の情報を共有しながら生活できれば心強いですよね。

さらに、色川地区の「町立籠ふるさと塾」では、稲作や畑仕事が体験できるグリーンツーリズムや、5日間の定住体験を実施しています。それらの体験を通して、那智勝浦町の文化や雰囲気を知ることができますよ。

移住者を受け入れる取り組みを積極的に進めていて、移住者の受け入れ実績も豊富なので、移住を決断した後も心強いですよね。

和歌山県那智勝浦町の生活情報

那智勝浦町の色川地区

那智勝浦町での暮らしの魅力をたっぷりと知っていただいたところで、次は移住に役立つ生活情報を紹介していきます。まずは、以下の情報をご覧ください。

気候 一年を通して温暖で過ごしやすい。雪はほとんど降らない。
人口 14,090人(令和4年10月末日現在)
病院 病院・クリニック:12か所、歯科:14か所
学校 小学校:6校、中学校:4校
保育所・こども園 8園(公立・私立・僻地含む)
お祭り 南の国の雪祭り、まぐろ祭り、桜花祭(熊野那智大社)、那智の扇祭り(熊野那智大社)、勝浦八幡神社例祭、那智七福大黒天祭(那智山青岸渡寺)、節分祭(熊野那智大社)
食べ物 生まぐろ、くろしお苺、色川茶、伊勢海老、さんま寿司、めはり寿司、酢、醤油、いらぎ、米
交通 【鉄道】
中心となる駅:紀伊勝浦駅
西日本旅客鉄道(JR西日本)
・紀勢本線(きのくに線):宇久井駅-那智駅-紀伊天満駅-紀伊勝浦駅-湯川駅-(太地町)-下里駅-紀伊浦神駅

【バス】
路線バス(熊野御坊南海バス・那智勝浦町営バス)

【高速道路】
那智勝浦新宮道路:(新宮市)-那智勝浦IC-市屋
世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道、熊野那智大社、那智山青岸渡寺、那智の滝、那智原始林、補陀洛山寺、熊野参詣道(中辺路・大辺路)、熊野古道大門坂、熊野三所大神社、九十九王子(浜の宮王子・市野々王子・多富気王子)
近隣都市 新宮市、東牟婁郡太地町、串本町、古座川町

このように見ると、世界遺産の数が驚くほど多いことが改めてわかります。世界遺産や寺院、神社に関連したお祭りもたくさんあり、一年を通して那智勝浦町の文化に触れられますよ。

また、おいしい食材や料理も豊富にあることがわかります。町内には農産物直売所があり、新鮮な食材を地産地消で手に入れられますよ。特に「くろしお苺」はビタミンたっぷりで絶品なので、ぜひ購入してみてくださいね。

仕事:自然を活かした求人が見つけられる

大手求人サイトで那智勝浦町の正社員情報を探したところ、約400件の求人が見つかりました。※参考:求人情報の一例

海や山、川など自然が多い那智勝浦町は、地域によって求人が異なります。山間部では農林業や炭焼き関係、海岸部では漁業関係、市街地では観光関係の求人を見つけることができます。豊かな自然を活かした仕事の求人を多く見つけられるのが特徴です。

那智勝浦町役場の土佐さんによると、地域の食材を使用したカフェを営業しながら、Web関係のお仕事を行っている移住者の方もいるそうです。また、30分程度で出勤できる新宮市や串本町へ通う人もいるんだとか。

ちなみに、大手求人サイトで新宮市の正社員情報を探したところ、約900件の求人が見つかりました。参考:求人情報の一例

同条件で、串本町の求人を探したところ約300件がヒットしました。※参考:求人情報の一例

近隣の自治体の求人とあわせることで、就職先の選択肢はさらに広がることがわかりますね。

住まい:選択肢は少なめだが物件価格はリーズナブル

物件情報サイトで物件情報を探したところ、以下の情報が見つかりました。

▼那智勝浦町の物件情報

件数 価格帯
賃貸 10件 3万円~6.7万円
戸建て 2件 230万円~487万円

※参考:賃貸情報の一例
※参考:戸建て物件情報の一例

物件の選択肢は豊富だとはいえませんが、住む場所が全く見つからなくて困る心配は少なそうです。賃貸住宅を3万円で借りることも可能で、都会と比べるとリーズナブルな価格で物件を見つけられますよ。

また、那智勝浦町の空き家を探すのであれば、「わかやまLIFE」の「わかやま住まいポータルサイト」を活用するのがおすすめです。わかやま住まいポータルサイトを通して空き家を探せば、以下のような補助金を受け取れる可能性があります。※詳細は必ずご確認ください。

▼和歌山県の支援制度

概要 上限額
わかやま既存住宅状況調査補助金 空き家の住宅状況を調査した際の経費が2分の1補助される。 5万円
空き家改修補助金 空き家改修工事の経費が3分の2補助される。 80万円
空き家お片付け補助金 家財撤去に必要な経費が補助される。 8万円

※参考:わかやまLIFE「支援制度を見る」より

このように和歌山県の支援制度を活用すれば、かなりお得に空き家の環境を整えられます。空き家の住宅状況を調べるための補助金を受け取れるのもありがたいですよね。

那智勝浦町の空き家を探すのであれば、わかやま住まいポータルサイトを積極的に活用してみましょう。

>>わかやま住まいポータルサイトはこちら

那智勝浦町へ移住した人の声:景色が美しくて人が優しく、ご飯がおいしい

那智勝浦町の移住者の声

ここで那智勝浦町へ実際に移住した人の声をご紹介していきます。

  • 自動車で走れば、海、山、川と景色が次々に窓の外を流れていく。豊かな自然や熊野のエネルギーで身体が癒されるのを感じる。
  • なんでもおいしくて、食のクオリティが高い。
  • 地域の人がよく面倒を見てくれて、引っ越しや田植えを手伝ってくれる。
  • 美しい里山の風景に惚れた。
  • 住民の方の奥ゆかしさに感動した。

自然の美しさや、地域の方の温かな人柄についての感想が多く聞かれました。「ご飯がおいしい」という声も聞かれ、那智勝浦町で暮らせば生活の質が一気に高まりそうですね。

那智勝浦町役場の土佐さんによると、京都や大阪、東京、名古屋など都市からの移住者が多く、家庭菜園でお米や野菜を作る人もいるそう。家族での移住はもちろん、単身の人が地域おこし協力隊としてやって来るケースもあります。

那智勝浦町への移住を検討している方は「籠ふるさと塾」を活用しよう

那智勝浦町への移住を考えているのであれば、まずは移住してみたい地域を訪れてみることが大切。「籠ふるさと塾」に滞在すれば、那智勝浦町の魅力や雰囲気、住民の方の様子を知ることが可能ですよ。利用料金は以下の通りです。

▼籠ふるさと塾の利用料金

家族用滞在施設 2万円/1か月
単身者用滞在施設 1,500円/1日
15,000円/1か月

また、「籠ふるさと塾」では、さまざまな体験を通して那智勝浦町の暮らしを知ることができます。例えば、稲作や畑仕事が体験できるグリーンツーリズムや、5日間の定住体験などがありますよ。

それらの体験を通して、自身が本当に那智勝浦町へ移住できるかどうかを検討してみましょう。ミスマッチを避けるために、担当の方と面談を重ねたり、就業体験を積極的に行なったりすることも大切です。

>>籠ふるさと塾の詳細はこちら

那智勝浦町への移住に関するお問い合わせ

那智勝浦町でとれたまぐろ

担当係 観光企画課 企画係
住所 〒649-5392
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字築地7丁目1-1
電話番号 0735-29-2007
FAX 0735-52-3011
公式サイト https://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/info/1281