
【京都】ししおどし発祥の地!左京区「詩仙堂丈山寺」の美しい庭園で”わびさび”を感じるお寺デート
「日本の良さを再認識できるお寺回りを楽しもう♪」第6弾は、京都市左京区の「詩仙堂丈山寺(しせんどうじょうざんじ)」へのインタビューです。
詩仙堂丈山寺さんは、江戸初期の文人石川丈山が建てた草庵を起こりとする「曹洞宗の寺院」です。
ゆったりとした時間が流れる座敷と、四季折々の姿を見せる庭園を楽しむことができます。
「少しリフレッシュしたい」「きれいな景色を見たい」という方は、ぜひご覧ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です
漢詩人・石川丈山が晩年を過ごした寺院「詩仙堂丈山寺」
京都府左京区にある「詩仙堂丈山寺」は、江戸時代初期の代表的な漢詩人である石川丈山が晩年を過ごした場所として知られるお寺です。
中国・唐の時代から言い伝えがある「馬郎婦観音(めろうふかんのん)」が、ご本尊として祀られています。
詩仙堂は正式には「凹凸窠」(おうとつか)と呼ばれています。凹凸窠とは、でこぼこした土地に建てられた住居のことです。凹凸窠の中心で江戸時代の絵師・狩野探幽が描いた、中国の詩人36人の肖像画を見ることができます。
また境内に広がる美しい庭園では、静けさの中”ししおどし”が響く音が、わびさびを感じさせてくれます。
心温まる表情を浮かべるお地蔵様の姿を二人で探すのもいいかもしれませんね。
情緒豊かな景色を眺めながら、静寂に包まれた境内でゆったりと二人の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
今回は「詩仙堂丈山寺」の副住職である石川さんに、詩仙堂丈山寺の魅力についてお話を伺いました。
インタビュアー
どのようなお寺か教えてください。
石川さん
江戸初期の文人石川丈山が寛永18年(1641年)に建てた草庵が起源で、現在は詩仙堂丈山寺という曹洞宗の寺院となっています。
中国の漢、晋、唐、宋の時代の詩人36人の肖像画を掲げている部屋を「詩仙の間」と言うところから、「詩仙堂」と呼ばれるようになりました。
詩仙堂の御本尊は三十三観音のひとつ馬郎婦観音(めろうふかんのん)であり、所願成就・学業成就に御利益があると言われています。
昭和3年(1928年)に国の史跡に登録されました。石川丈山ゆかりの掛軸、書物、扁額や代々お寺で所蔵しているものなどが残されており、一部は常時展示しております。
多くの作品は普段非公開となっていますが、5月23日の丈山の命日を記念し、毎年5月25日~27日の3日間、「丈山翁遺宝展」として一般公開をしています。
詩仙堂に遺る80点程の遺宝を一堂に公開しています。
インタビュアー
詩仙堂丈山寺さんの名称は、石川丈山さんのお名前と天才的な詩人を指す「詩仙」から来ているのですね。
文人であった石川丈山さんゆかりのお品が拝見できる機会は非常に貴重です。
僧都の音が響く「唐様庭園」では四季折々の風景が楽しめる
インタビュアー
詩仙堂丈山寺を訪れた際の見どころは何でしょうか?
石川さん
境内には「唐様庭園」と呼ばれる中国の山水画を模した庭園が書院前に広がり、座敷に腰を下ろしゆっくりとした時間を過ごすことが出来ます。
春にはサツキの刈込に花が咲き、秋には正面に広がる紅葉が鮮やかに、冬には辺り一面の雪景色をご覧いただけることもあります。
また庭園は歩きながらの散策もでき、池を優雅に泳ぐ鯉や四季折々の風景を間近で楽しむことも出来ます。
庭園には詩仙堂が発祥と言われる「僧都(そうず)」、通称「ししおどし」があり、ときどき竹筒が石を叩き響く音がより一層の静寂を醸し出しています。
庭園の一番奥には小さなお地蔵さんが安置されており、そのかわいらしい笑顔で参拝者の皆様を楽しませています。
インタビュアー
庭園の美しさには思わず目を見はりました。また、僧都は詩仙堂丈山寺が発祥であることを初めて知りました。
季節の移り変わりとともに様相を変える庭園と、わびさびの心を思わせる僧都の音が合わさり、和の心を思い出させてくれます。
毎年5月に開催される「丈山翁遺宝展」では”詩仙堂の遺宝”を一般公開
インタビュアー
一般の人も参加できる行事や体験などはありますか?
石川さん
毎年5月25日~27日の3日間、「丈山翁遺宝展」を開催しています。詩仙堂に代々遺る、遺宝を公開しています。
インタビュアー
遺宝を拝見できる機会は1年のうち3日間限定なのですね。石川丈山さんの生に思いを馳せながら、貴重なお品を鑑賞したいです。
詩仙堂丈山寺の参拝について
インタビュアー
拝観時間と拝観ができない日を教えてください。
石川さん
拝観時間は通年午前9時から午後5時で、最終受付は午後4時45分です。
石川丈山の命日である5月23日が拝観休止日です。
インタビュアー
年間を通じてほとんどの日に拝観できるので訪ねやすいです。
拝観時間の最終受付時間には注意が必要ですね。
拝観料は大人1名につき500円
インタビュアー
拝観料は必要でしょうか?
石川さん
拝観料は以下の通りです。
大人 | 500円 |
---|---|
高校生 | 400円 |
小中学生 | 200円 |
インタビュアー
2人でデートに行ってもお財布に優しくありがたいです。
参拝時の服装は自由!庭園を散策するなら「歩きやすい靴」で
インタビュアー
どのような服装で参拝すればよいでしょうか?
石川さん
特にありません。普段通りの服装で大丈夫です。
インタビュアー
デートとして少しかっちりした格好でも、少しリラックスした格好でもOKですね。
庭園を散策するなら、歩きやすい靴を用意したいです。
周辺に有料パーキングあり!叡山電鉄・市バスも利用できる
インタビュアー
駐車場はありますか?公共交通機関を使う場合はどのように行けばよいでしょうか?
石川さん
お車でお越しの場合は、周辺の有料パーキングをご利用ください。
公共交通機関をご利用の場合は、以下の通りです。
バス:市バス 一乗寺下り松町下車、東へ徒歩7分
インタビュアー
車で行く場合は、事前にパーキングの場所を調べておくとスムーズですね。
お札は「正月三が日」と「節分」に頒布
インタビュアー
お守りやお札などを受けることはできますか?
石川さん
毎年正月三が日と節分にご祈祷したお札をお分けしています。
御朱印は書置きの物をご用意しております。
その他、詩仙堂オリジナルの御朱印帳、絵はがき、解説書、お念珠などの記念品も販売しています。
インタビュアー
お札をお分けいただけるのですね。
カップルなら、参拝の記念に絵はがきなどをお互いに選び合うと楽しそうです。
デートで「詩仙堂丈山寺」を訪れる際のおすすめプラン
インタビュアー
デートでおすすめの見どころや、行事などがあれば教えてください。
石川さん
庭園を散策しながら、ぜひ小さなお地蔵さんを探してみてください。
インタビュアー
カップルで美しい庭園をゆったり歩くだけでも素敵なデートになりそうですが、さらにかわいらしいお地蔵さんを探しながらだと会話も盛り上がりそうですね。
草花で庭園が華やかになる「春」のデートがおすすめ
インタビュアー
デートにおすすめの時期や季節はいつでしょうか?
石川さん
春は気候も良く草花も多く咲き、庭園が華やかな季節でおすすめです。
秋の紅葉はとても美しくおすすめですが、多くの参拝者が訪れるので2人でゆったりとした時間は過ごせないかもしれません。
普段でしたら、午前中は参拝者が少なくおすすめです。
インタビュアー
庭園の落ち着いた雰囲気を味わうなら、春がよいのですね。
木々が芽吹き、花々が色とりどりに開くよい季節に庭園をゆっくり散歩したいです。
午前中なら季節を問わずに比較的のんびり過ごせそうですね。
周辺には有名な「老舗和菓子店」や「観光寺院」あり
インタビュアー
近くにおすすめの食事処や、おすすめの観光地などはありますか?
石川さん
詩仙堂への道中に和菓子や洋菓子で有名な「一乗寺中谷」がおすすめです。
詩仙堂の周辺には圓光寺、金福寺、曼殊院といった観光寺院があり、歩きながら周辺を散策されるのもおすすめです。
インタビュアー
詩仙堂丈山寺さんへの参拝を終えたら近隣の寺院を周りつつ散策を楽しみ、帰りに一乗寺中谷さんでお菓子を選んで帰って一緒に食べるというのもよさそうですね。
詩仙堂丈山寺からカップルへメッセージ
石川さん
詩仙堂は普段の喧騒や忙しさを忘れ、心静かに過ごせるとても良い場所であると思います。
座敷では二人でゆったりと静寂の時間を過ごし、庭園では会話を楽しみながら四季折々の風景を堪能できます。庭園でほほ笑みかけるお地蔵さんはきっと二人を癒してくれるはずです。
お時間がありましたらぜひご参拝ください。
インタビュアー
詩仙堂さんは、過ごしているうちに心が洗われるような思いのする場所でした。
お地蔵さんのお顔を見ると、少し張りつめていた気持ちがゆるんだような気がします。
またぜひ別の季節にも訪れて、景色を楽しみたいです。
今日はたくさんのお話を聞かせてくださりありがとうございました。
詩仙堂丈山寺の基本情報
住所 | 〒606-8154 京都市左京区一乗寺門口町27番地 |
---|---|
電話番号 | 075-781-2954 |
開門時間 | 午前9時~午後5時 (受付終了午後4時45分) |
拝観休止日 | 5月23日 |
公式サイト | https://kyoto-shisendo.net/ |
詩仙堂丈山寺の後に行きたいデートスポット
ここからは「詩仙堂丈山寺」と合わせて行って欲しい、おすすめのスポットを3つ紹介します。お近くにお越しの際はぜひ足を運んでみてくださいね。
「一乗寺中谷」で伝統的な和菓子を味わう
詩仙堂丈山寺の近くにある「一乗寺中谷」は老舗の和菓子店です。伝統的な製法で作られた郷土銘菓「でっち洋かん」が名物です。
「詩仙もち」や「大納言 とうふ羊かん」などの和菓子のほか、豆乳スイーツの「絹ごし緑茶てぃらみす」や「白みそと木の実のケーキ」など和菓子要素が取り入れられた洋菓子もあります。
茶屋ではいろとりどりのご飯物やドリンクと一緒に、和菓子や洋菓子を味わうこともできます。
和菓子屋ならではのスイーツメニューが充実しているので、デートの合間にほっと一息つくのにおすすめのお店です。
一乗寺中谷:https://www.ichijouji-nakatani.com/
紅葉の名所として人気!四季折々の景色を楽しめる「圓光寺」
京都府京都市左京区にある「圓光寺」は、紅葉の名所として人気のお寺です。
春は枝垂れ桜、夏は青々と生い茂る木々、秋は鮮やかな紅葉、冬は雪景色と四季折々の景色を楽しむことができます。
また絵画のような美しさを感じる池泉回遊式庭園の「十牛之庭」など、凛とした佇まいを感じる景色が多数あります。
詩仙堂丈山寺とは趣の異なる風情を堪能できるお寺です。
瑞厳山 圓光寺:https://www.enkouji.jp/
遠州好みの枯山水庭園が広がる「曼殊院」
小さな桂離宮と呼ばれる「曼殊院」は、京都府京都市左京区にある天台五門のひとつに数えられるお寺です。雅な佇まいが魅力で、枯山水庭園は国の名勝に指定されています。
狩野永徳や狩野探幽が描いた襖絵や国宝に指定されている「不動明王」、重要文化財である「大書院・小書院」など貴重な文化財を多く所蔵しています。
気品漂う優美な佇まいを、じっくり楽しんでみてはいかがでしょう。