北上市での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学
この記事では、地方移住を検討している方に向けて、岩手県北上市の暮らしを紹介します。
北上市は都会と田舎の良さが共存した「自分らしい暮らし」ができるまちです。生活機能が充実した便利さと緑豊かな自然、そして「おもてなし」の文化が根付いた人のあたたかさが特徴です。
北上市で生活する魅力をはじめ、移住支援に関する情報や、移住に関する補助制度まで詳しく解説していきます。
北上市での暮らし、3つの特徴
北上市は岩手県の南西部、北上盆地の中央に位置する、北上高地と奥羽山脈に囲まれた緑豊かなまちです。平野部には、北上川と和賀川の合流により形成される田園地帯、そして市街地と工業団地が開けています。
ものづくりのまちとして企業誘致を進めていることから、市内には多様な企業が集まっています。新幹線の駅もある交通の利便性の良さもあり、生活機能もそろった便利なまちです。自然を生かした外遊びも充実しているほか、様々なイベントも開催されており、市内で遊びに行ける場所や機会も多くなっています。
そんな北上市での暮らしをおすすめしたいのはこのような特徴の人です。
- 都会の便利と田舎の自然のどちらも享受したい
- 職住近接で生活のゆとりを得たい
- 人と人とのつながりを感じながら生活がしたい
- 自然の中でのびのびと子どもを育てたい
それでは北上市の魅力をご紹介していきます。
魅力1:都会と田舎の良いとこ取り!便利で暮らしやすいまち
都会の便利さと田舎ののびやかさがある「ちょうどよさ」が魅力の北上市。岩手県内の市の中では2番目に面積が小さいコンパクトなまちの中に、便利な生活環境と豊かな自然環境が隣り合わせで共存しています。
▲北上展勝地は東北有数の桜の名所としても有名
特筆すべきは、大都市とつながる交通アクセスの良さです。新幹線の駅があり、東京から北上市には2時間半程度でアクセス可能。北上市と東京の2拠点居住も夢ではありません。高速道路で県庁所在地の盛岡市には1時間弱、仙台市には2時間弱で行くことができ、さらにはいわて花巻空港までも車で約30分でアクセス可能です。遠方への旅行の計画も立てやすいですね。
市中心部には大型ショッピングセンターや百貨店、シネマコンプレックスなどの商業施設が集積しています。病院も市内に複数か所あります。日々の暮らしに必要な機能が整っているのは大きなメリットではないでしょうか。
便利なだけではなく、豊かな自然を思いきり楽しめるという環境も魅力です。
夏油高原スキー場でスキーを楽しんだ後に入る夏油高原の温泉は格別ですよ。夏油高原温泉郷は市中心部から車で約1時間で行ける距離にありながら、ブナの原生林に囲まれた大自然の中にある秘湯となっています。少し狭い道を走るため運転が不安な場合は、JR北上駅から出ている送迎車の利用がおすすめです。
▲豊富な積雪とロングシーズンが魅力の夏油高原スキー場
▲自然の中の秘湯感・夏油温泉
入畑ダムの湖ではSUPを楽しむことができます。透き通るようなエメラルドグリーンの湖面に、周りを見渡せば緑に囲まれた景色で、まるで秘境のような神秘的な場所で特別感を味わえます。
▲エメラルドグリーンの湖面が神秘的な入畑ダム。冬の間は氷に閉ざされる
魅力2:職住近接で暮らしにゆとりが生まれる
北上市では県内で最も早い時期から工業団地の造成や企業誘致に取り組んでおり、230社を超える企業誘致に成功しています。
半導体や自動車のほか、食品、医薬品など幅広い業種の企業があり、多くの雇用が創出されています。工業だけでなく農業や商業もバランスよく充実しているため、多様な仕事から選ぶことができます。
何より市内に仕事がある「職住近接」が叶うのは大きなメリットです。通勤時間も短くて済み、家族との時間や自分の時間を大切にできる、ゆとりのある生活を送ることができます。
魅力3:楽しくて刺激のある生活を送れる
北上市は「おもてなし文化の本家」とされており、人をあたたかく受け入れる文化が根付いています。実際に移住した人からも、「あたたかく受け入れてもらい、日々の暮らしでも助けてもらえている」という声が聞かれます。移住には不安がつきものですが、このような土壌があることは安心につながりますよね。
面白い人やイベントが多いのも北上市の特徴です。例えば7色の人参を栽培している農家さんだったり、古民家改装してカフェを営業しているオーナーさんだったり、サイクリングのプライベートツアーをしている人だったり、ユニークな活動をしている人に出会うことができます。
市民主催のマルシェやランニングイベントなども定期的に開催されているので、日々の暮らしの中で楽しみと刺激が得られます。
▲市内マルシェの様子
最大定員1,500席を超える大ホールをもつ「さくらホール」は有名アーティストが来ることもあります。個性的なイベントも開催される、賑わいと交流の場となっています。
▲建物外観も魅力のさくらホール
北上市の暮らしデータ
ここまでは北上市の魅力を紹介してきました。ここからは実際に北上市に住むなら知っておいた方がよい暮らしの情報や、仕事や交通情報、子育て支援についての情報をご紹介します。
気候 | 8月の平均気温:24.1度 1月の平均気温:-0.9度 ※参考:気象庁ホームページ 寒暖差が大きい内陸性の気候を有する。 西部は日本海側の気候の影響を受けやすく、冬季には積雪量が比較的多い。 |
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人口 | 約92,000人、約4万世帯 |
病院 | 病院・クリニック:57件 歯科:40件 |
学校 | 小中高校まであり、福祉系の専門学校も1校あり。 |
食べ物 | ・里芋「二子芋」(ふたごいも) ・地酒『喜久盛』『鬼剣舞』 ・北上牛・きたかみ牛 ・名物トロイカチーズケーキ |
病院や学校など、市内にある方が望ましい施設はそろっています。
冬季には積雪量も比較的多くなりますが、「大変だったけれど、近所の人が助けてくれた」という移住者の声を聞くこともできました。積雪のない地域から移住を考えている場合でも、助け合い文化が根付いている北上市なら安心できるかもしれませんね。
北上市は農業もさかん。おいしくて新鮮な食べ物を地産地消で食べられるのも魅力です。特産品の二子さといもを使った「北上コロッケ」などおいしい食べ物がたくさんあります。
▲特産品の二子さといも
交通に関する情報:車での移動がおすすめ
公共交通では東北新幹線の他、北上駅を中心にJR東北本線や北上線を使って移動することができ、コミュニティバスや乗合タクシーの運用によりすき間を補完しています。
とはいえ、やはり車文化ではあります。移住するのであれば車を持つことを前提に考えた方がよいでしょう。
市では住み慣れた場所で暮らし続けることができるよう、生活を支える「地域拠点」と、都市全体を支える「都市拠点」を結ぶ公共交通ネットワークを整備しています。将来的には車以外の移動手段も充実することが期待できるのではないでしょうか。
仕事情報:平均年収や求人数を紹介
移住先を考えるにあたって、自分の希望する仕事で必要な収入が得られるのかは大切ですよね。
工業を中心に多くの雇用がある北上市ですが、実際の求人数や年収はどうなっているのかを見ていきましょう。
まずは北上市の平均世帯年収から。平均世帯年収513万円は、県下で最も高くなっています。
平均世帯年収 | 513万円 |
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※参考:大手物件情報サイト
続いて正社員の求人数について。大手求人サイトでは約6,000件弱の正社員の求人がヒットしました。
※参考:求人情報の一例
市内に就業の選択肢が豊富なのは、移住を決める際の心強い後押しになりますよね。
車での交通アクセスも良いため、近隣市町も含めればさらに職業の選択肢は増えるかもしれません。
また、移住を考える人の中には農業移住や起業を検討している人も多いのではないでしょうか。北上市では就労支援に加え、就農や起業の支援のための取り組みも行っています。下にまとめているため、参考にご覧ください。
インターンシップ交通費助成事業 | 市内企業のインターンシップに参加する学生に対し、駅等からの交通費を助成する事業。 |
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就職活動交通費支援 | 県外居住者が県内企業への就職活動を行うことに伴う交通費を支援する制度。 |
ジョブカフェさくら | 仕事探し相談、就活イベント・セミナーなどを開催する就労支援機関。 |
岩手県地方創生起業支援金 | 県内で地域課題の解決を目的として新たに起業する方に、起業に必要な経費の一部を補助し、事業立ち上げ等に関する伴走支援を行う事業 |
創業支援 | 北上商工会議所、北上信用金庫と連携し、創業を支援 |
経営開始資金(新規就農者育成総合対策) | 50歳未満の新規就農者に対し、農業を始めてから経営が安定するまでの最長3年間、年間最大150万円を支給 |
北上市農業支援センター | 農業に関する総合相談窓口を実施 |
住まいに関する情報:空き家バンクを活用しよう
住まいの確保は移住する上での前提条件となります。大手物件情報サイトによると、北上市の賃貸物件は100件ほどでした。
※参考:大手物件情報サイト
しかし北上市では企業誘致により単身者の転入が多いため、賃貸には空きがないことも多いそう。中古や新築一戸建てを購入する人も多くなっています。
移住者向けの宅地分譲情報を市のHPに掲載しており、また不動産業者と連携して優良物件を紹介する「空き家バンク」の取り組みも実施しています。
空き家の改修補助をはじめ、移住者や新規住宅購入者向けの支援制度もありますので、参考にしてみてくださいね。
空き家改修・整備への補助・改修費補助金 | ・改修費用補助金 北上市の空き家バンク物件を購入し、増築、改築、リフォームをする費用の2分の1の額(上限100万円、子育て世代は120万円) ・整備費用補助金 空き家の改修、清掃等の費用の2分の1の額(上限50万円) |
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北上市住宅用おひさまパワー活用設備設置費補助 | 市民が市内の業者を利用して、住宅に太陽光発電システムや蓄電システムを設置する際に、設置費の一部を補助 |
ライフステージに応じた若者の住宅支援 | 就職、U・Iターン、結婚・出産、子育てのライフステージ毎にある若者向けの住宅支援制度 |
子育て支援に関する情報
都会では味わえない自然環境や、市内に100以上ある公園など、子どもをのびのびと育てることができる環境が整っています。
さらに北上市には、まち全体で子育て家庭を見守ってくれるような環境が整備されています。市内4か所にある子育て支援センターは、「毎日通っている」という方が多いくらいの人気の施設。相談・交流ができる場所として、親子を心強くサポートしています。
さらにオムツ替えや授乳ができる「赤ちゃんの駅」を市内33か所に設置。お子様連れの外出でも安心ですね。
▲子育て支援センターでは子どもだけでなく親同士の交流も
北上市に移住した人の体験談・感想
ここでは、実際に北上市に移住された方の声を紹介します。
- 職場が近いので、雨が降っても雪が降っても、車で10分程で通うことができる。休みの日も温泉に行ったり秋の味覚を楽しんだりできる今の生活に満足している。
- Uターンで移住して、自分の料理店を開いた。食べ物がおいしくて、お客様にも「地元の野菜を使っているんです」と言えるのが最高のおもてなしではないかと思っている。
- 埼玉県からIターンで農家に転身。農業に限らず、仕事の選択肢が多いと感じる。周りの人もあたたかく気遣いをしてくれて、おもてなしの心があると感じている。
- Jターンで移住。マルシェで自分のつくったお米を売っているのが生きがい。大切な場所になっている。
仕事の選択肢が多く市内で働けることから、時間と心にゆとりが生まれるという声が聞かれました。豊かな自然を生かした農産物に誇りを持つ声もあがっています。
ライフスタイルに合わせた自分らしい生き方ができることが大きな魅力になっているようですね。
具体的に行動できる情報のまとめ(移住ステップ)
北上市への移住を検討される際に役立つ補助制度を紹介します。わからないことがあれば、些細なことでも相談窓口に問い合わせをするのがおすすめです。
補助制度
北上市に移住し、就職あるいは起業をする人に対しては、以下のような補助制度があります。
いわて若者移住支援金(一般) | 対象:東京圏に通算5年以上居住し、移住支援金対象求人で就職またはテレワーカーとして勤務など、特定の移住先要件を満たす方 年齢:39歳以下の方 支給:単身15万円、世帯25万円 |
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いわて若者移住支援金(新卒) | 対象:東京圏の大学等を卒業し、東京圏から住民票の異動を伴い岩手県内に移住し、移住支援金対象法人に就業した方 年齢:39歳以下の方 支給:15万円 |
北上市移住支援金 | 対象:東京圏から北上市へ移住し、就業又は起業した方 支給:一人の世帯…60万円 二人以上の世帯…100万円 ※18歳未満の者1人につき100万円を加算 |
北上市への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 北上市 企画部 都市プロモーション課 |
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住所 | 〒024-8501 岩手県北上市芳町1番1号 |
電話番号 | 0197-72-8308 |
対応時間 | 08:30〜17:15 |
公式サイト | 市公式サイト:https://www.city.kitakami.iwate.jp/ 移住サイト:https://iju.pref.iwate.jp/team/kitakami/ |