
【福島】福島県立博物館を中心に会津若松市をバスでぐるりと巡るデートプラン
今回紹介するのは、福島県会津若松市にある「福島県立博物館」を中心に、市内循環バスに乗って七日町・若松城(鶴ヶ城)・東山温泉を訪れるデートプランです。
福島県立博物館は、縄文時代~近現代までの福島県の歴史を網羅的に紹介している博物館です。「福島」「会津」と聞くと幕末をイメージする方もいるかもしれませんが、「ほかにもこんな歴史があったんだ!」と新しい発見がありますよ。
ほかにも会津若松の人気観光地である七日町や若松城、東山温泉にも立ち寄るコースなので、近隣にお住まいの方も旅行気分を楽しめるでしょう。
特に歴史好きや温泉に入ってリフレッシュしたいカップルは、ぜひ今回のプランを参考にしてみてください。
おすすめカップル:福島県の歴史に興味がある、温泉でリフレッシュしたいカップル
どんなデート?:見る、歩く、学ぶデート
目安時間:9時間
目安予算:2人で12,000円
概要:会津若松市をバスでぐるりと周遊するデートプラン
今回紹介するのは、市内を循環する周遊バスを乗り継いで、会津若松市をぐるりと巡るデートプランです。
10:00 | JR会津若松駅に集合 |
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移動 | バスで約10分 |
10:10~12:30 | 七日町を散策&ランチ |
移動 | バスで約25分 |
12:55~15:30 | 福島県立博物館の展示を鑑賞 |
15:30~17:00 | 若松城を散策 |
移動 | バスで約30分 |
17:30~19:00 | 東山温泉で日帰り温泉&夕食 |
移動はすべてバスで行うため、会津若松駅前のバス案内所で1日フリー乗車券を購入するのがおすすめです。小銭を出す手間を省けるため、ストレスフリーにデートを進められますよ。
午前中は、大正レトロな雰囲気漂う七日町を散策しましょう。会津若松の特産品を販売しているお店だけでなく、郷土料理を食べられる食事処やおしゃれなカフェもあります。
午後は福島県立博物館と若松城を訪れ、福島県の歴史を学びます。デートの締めくくりは東山温泉で、温泉に入った後は周辺の食事処で夕食を楽しむデートコースです。
まずは、今回のデートプランのメインスポットである「福島県立博物館」について詳しく紹介します。
縄文時代からの福島の歴史がわかる福島県立博物館
福島県立博物館は、会津若松市にある若松城の三の丸跡地に建てられた博物館です。館内では、主に遺跡からの出土品や歴史を物語る資料、実物大の模型を展示しています。
常設展示室では縄文時代から近現代までの福島の歴史を、時系列に沿って学ぶことが可能です。また、考古や自然、民俗、歴史美術など、ジャンル別に資料を展示しているスペースもあります。
巨大なフタバスズキリュウの化石模型を展示しているコーナーもあり、歴史・美術・恐竜好きのカップルは充実した時間を過ごせるでしょう。
企画展では福島や会津若松を軸にした展示を年3回程度行っているほか、地元の歴史的な建物・施設とコラボして市内全体で会津若松の歴史を学べるイベントを実施することもあります。
また、福島県立博物館は周囲を自然に囲まれているため、四季折々の景色とともに楽しめる点も大きな魅力です。特に、春の高遠桜は必見ですよ。
今回は福島県立博物館の主任学芸員で、連携交流班の広報担当の塚本麻衣子さんに、博物館の魅力やおすすめの展示品などを教えていただきました。
福島の歴史・民族・自然をまるごと知れる博物館
編集部
戊辰戦争や白虎隊など、幕末の日本史に大きな影響を与えた会津若松市にある福島県立博物館ですが、主にどのようなものを展示しているのですか?
塚本さん
福島県の歴史や文化、自然や美術を紹介する資料を展示しています。主な展示品は以下の通りです。
- 縄文時代の竪穴住居の再現や出土した道具
- 古墳の出土品
- 会津藩の歴史や戊辰戦争を紹介する資料
- 雪国会津のくらしがわかる民俗資料
- 福島の成り立ちがわかる地質資料・化石
歴史好きの方や化石好きの方まで、幅広くお楽しみいただけると思います。
▲常設展示室に展示してある恐竜の化石模型。空を飛んでいるように見え、迫力満点です。
編集部
福島や会津と聞くと幕末の印象がありますが、福島県立博物館では幕末だけでなく古代から近現代までの福島の歴史を網羅的に学べるのですね。
多彩な展示品から、特にどんなことを感じてもらいたいでしょうか。
塚本さん
戊辰戦争のイメージがある会津ですが、それ以前にも深い歴史があります。民俗や自然も含め、福島の多様な側面に触れていただけたら嬉しいです。
また当館は若松城の三の丸跡地に立地しており、自然も豊かです。展示観覧とともに周囲を散策し、会津の深い歴史をぜひ体感していただきたいですね。
編集部
常設展示室では原始から近現代までの歴史を時系列に沿って振り返った後、民俗・自然・考古・歴史美術といったジャンル別の展示を鑑賞できると伺いました。
すぐ横には若松城があるので博物館の展示を振り返りながら見学できますし、歴史好き・散策好きのカップルにはたまらない環境だと思います。
福島や東北を主軸にした企画展を年に数回開催している
編集部
福島県立博物館では企画展も頻繁に開催していると伺いました。過去に開催した企画展があれば、ぜひ紹介していただきたいです。
塚本さん
過去には次のような内容の企画展を開催しました。
- 蒲生氏郷をはじめとする会津の武家文化
- 刀剣展
- 会津の仏教文化
- 福島・東北の幽霊・妖怪の紹介
- 戊辰戦争
企画展を開催する頻度は、年3回程度です。毎年発行する「年間催し物案内」や広報紙「なじょな」から、企画展の予定を確認していただけます。
編集部
福島県や会津を軸に、文化・刀剣・妖怪など様々なジャンルと関連付けた企画展を開催しているのですね。
企画展に合わせて、イベントやワークショップも実施されていると伺いました。内容について詳しく教えていただけますか?
塚本さん
常時ではありませんが、企画展ごとに講演会やワークショップを企画しています。例えば、貝殻の展示では貝合わせを行いますよ。
また、会津若松市内の歴史的建造物とのコラボによるイベントを実施することもあります。たとえば江戸時代からの酒蔵や商家で、当館の企画展に関連した展示やイベントを開催しておりますので、博物館でじっくり学んだ後に風情ある建物を巡るまち歩きもおすすめです。企画展の内容に合わせて毎回趣向を凝らしていますので、ぜひ開催状況と合わせてチェックしていただきたいです。
そのほか、2021年10月には「雪国ものづくりマルシェ」を開催しました。会津漆器や会津本郷焼、奥会津の編み組細工やからむし、会津の日本酒など、見て触れて楽しむマルシェです。
▲施設内にある体験学習室。畳や囲炉裏など、昔の家屋にはよくあったものを用いています。
ほかにも会津のものづくり文化を体験するワークショップや、武家文化を体験する居合の実演なども折々に開催しています。
編集部
会津若松市の歴史を、より深く理解できるようなワークショップを開催しているのですね!ワークショップのなかには、定員制や予約制のものもあると伺いました。デート前に公式サイトの「イベント」ページでワークショップの開催状況を確認してから訪れてみたいです。
シックな外観やかわいい埴輪群の展示も必見!
編集部
福島県立博物館は福島県の歴史や文化を広く扱っており、展示への理解を深めたり、地元の歴史を体感したりできるイベントを開催していることがわかりました。
塚本さんが思う、福島県立博物館の魅力を教えていただけますか?
塚本さん
福島の歴史・文化・自然を一望できるところでしょうか。福島のことを知りたい時は、まずは当館にお越しいただきたいです!
そして展示ももちろんなのですが、建築も当館の見どころのひとつです。蔵をイメージした落ち着いた雰囲気の外観と、開放感ある吹き抜けのエントランスは必見ですよ。
▲福島県立博物館の外観。広々としており開放感があります。
編集部
漆喰を塗った重厚な蔵のような外観なのですね。屋根は瓦葺きのようにも見えますし、「歴史博物館に来たぞ!」と歴史好きのカップルは気分が上がると思います。博物館の横にある若松城の外観ともマッチしているのが素敵です。
展示室内には本物の出土品や実物大の住居や大砲の模型、写真をたくさん使った解説パネルなどがありますが、塚本さんが特に気に入っている展示品は何ですか?
塚本さん
原山古墳出土の埴輪群が、とてもかわいいです。力士や楽器をもつ人や不思議な髪形の人など、古墳時代の人々の姿に想像力をかきたてられます。
▲塚本さんおすすめの原山古墳出土の埴輪群の展示。どんなポーズをしているのか1個ずつ観察してみましょう!
編集部
人の形をした埴輪は、3~5頭身のアンバランスな見た目がとてもかわいらしいですね!
ほかにも動物の形や柱のような形のものもありますし、「この埴輪は何をイメージして作ったと思う?」などとクイズのように話しながら鑑賞したら楽しそうです。
展示を鑑賞した後はカフェで休憩&ショップでお土産探し
編集部
展示を一通り見終わったら、カフェで休憩したり、ショップでお土産を買ったりしたくなるカップルもいると思います。館内には、飲食スペースや売店はありますか?
塚本さん
カフェでは、会津漆器の器でスイーツをお出ししています。
2021年以降は会津の木材や会津木綿といった会津の素材を用いてリニューアルし、会津のものづくりを紹介するコーナーも設ける予定です。
▲併設しているカフェで食べられるあんみつ。ほかにも手作りケーキ・コーヒー・紅茶などがあります。
ショップでは、これまで当館が発行してきた図録・書籍、絵葉書や一筆箋などのオリジナルグッズを販売しています。
編集部
カフェは受付カウンターの手前の左側、ショップは受付カウンターの後ろ側にあるので、見学後に立ち寄りやすいですね。
カフェでは不定期で、企画展と関連付けた限定メニューを食べられることもあるそうですし、展示の鑑賞が終わったらぜひ利用してみたいです。
博物館周辺の自然豊かな風景は記念撮影にぴったり
編集部
福島県は冬は雪が積もる日もありますし、春には樹齢1,000以上とも言われる「三春滝桜」が咲くなど、四季折々の自然が美しいイメージがあります。
福島県立博物館での季節ごとの見どころはありますか?
塚本さん
当館はお庭も併設しており、春は保科正之に由来する高遠桜が見事ですよ。
▲春の高遠桜。高遠桜は長野県伊那市ゆかりの桜で、会津若松市と伊那市は親善交流都市とのこと。
夏は竹が涼しげな風情、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の風景をご覧いただけます。
▲秋は紅葉が見どころ。会津若松市の紅葉の見ごろは10月中旬~11月中旬です。
▲冬は木に雪吊りを施します。雪が降った日はぜひ写真を撮ってみてください。
館内のレストコーナーからも、美しい風景を鑑賞することが可能です。ソファを設置しているので、2人でゆっくりした時間を過ごしていただけると思います。
また、春の彼岸獅子や夏の盆踊り、秋のマルシェ、冬のクリスマスコンサートなど、季節に応じたイベントも開催していますよ。
編集部
写真を見ると、博物館周辺では四季を存分に感じられることがわかります。歴史だけでなく季節の移り変わりも体感できる福島県立博物館、ぜひ訪れてみたいです!
福島県立博物館の口コミ・評価
編集部
福島県立博物館を訪れた方からは、どのような感想を聞くことが多いですか?
塚本さん
「企画展もよいけれど、常設展もとても充実していて見応えがあった」というお声をいただいています。
編集部
福島県立博物館では縄文時代~現代までの福島県の歴史を、本物の出土品や写真を使ったカラフルなパネルを用いながら解説しているため、より展示への理解を深められるのだと思います。
口コミサイトなどでは「常設展に満足した」との声が多数!
Googleマップにも、500件以上のレビューが投稿されていました。一部を要約して紹介します。
- 常設展示室は実物や模型がたくさん展示してあって、とても見ごたえがありました。
- モダンな雰囲気の建物で、ゆっくりと展示を鑑賞できました。
- 企画展を目当てに行ったけど、常設展も良かった!隅々まで見たかったけれど時間に余裕がなかったので、また機会があれば行ってみたいです。
特に、「常設展の展示が充実していた」と満足の感想が多く寄せられていました。展示品が豊富で見応えがあるので、時間に余裕を持って訪れたほうがよさそうです。
塚本さんから来館を検討している方へのメッセージ
編集部
最後に、デートでの来館を検討しているカップルへのメッセージをお願いします。
塚本さん
歴史好きカップルなら盛り上がっていただけると思いますので、ぜひデートでお越しください。
また、館内には雰囲気のよい授乳室をご用意しておりますので、小さなお子さまがいらっしゃるカップルの方も気兼ねなくいらしてくださいね。
編集部
「福島」「会津若松」と聞くと幕末をイメージしがちですが、福島県立博物館の展示を見ることで、現在まで紡がれてきた福島の長い歴史を知れると感じました。
塚本さん、たくさんのお話をありがとうございました。
福島県立博物館の基本情報
住所 | 〒965-0807 福島県会津若松市城東町1-25 |
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アクセス | JR会津若松駅より約3km 【バス】 乗り場:会津若松駅バスターミナル ・まちなか周遊バス「ハイカラさん」:約20分 三の丸口下車 ・まちなか周遊バス「あかべぇ」:約30分 三の丸口下車 【タクシー】 約10分 |
開館時間 | 9:30~17:00 ※最終入館は16:30まで |
休館日 | ・毎週月曜日 ※祝日・振替休日の場合は開館し、翌火曜日に休館 ・祝日の翌日 ※祝日の翌日が土・日の場合は開館 ・年末年始:12月27日~1月4日 ・館内整備休館日 |
入館料 | ・一般、大学生:280円 ・小中学生、高校生:無料 ※企画展は、企画展観覧料が必要 |
駐車場 | あり |
空いている時間帯 | ・平日:比較的空いている ※9月~11月は修学旅行生で混雑している場合がある ・土日、祝日:15:00以降 |
平均滞在時間 | 1時間~2時間 |
公式サイト | https://general-museum.fcs.ed.jp/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です
福島県立博物館周辺のデートスポット
今回紹介するデートプランでは、福島県立博物館の滞在時間は約1時間30分です。まだまだ時間はたっぷりとあるため、ほかの場所にも訪れてみましょう。
ここでは、観光スポットとして人気が高い七日町・若松城・東山温泉について解説します。それぞれの場所を巡れる周遊バスが出ているため、無理なくアクセスできますよ。
おすすめのデートスポット
大正レトロな雰囲気が漂うノスタルジックな通り:七日町
七日町は漆器店や酒蔵、お土産物屋など、さまざまなお店が通りに沿って軒を連ねている場所です。
藩政時代は日光や越後など多くの主要道路が通っており、たくさんの人で賑わっていました。一度は衰退しましたが、現在は大正レトロなエリアとして人気の観光スポットになっています。
会津の郷土料理であるみそ田楽をできたてで食べられるお店や、酒蔵を改装してつくられたカフェもあるため、ランチスポットとして利用するのもおすすめです。デートの際は、事前にお店を決めておくとスムーズですよ。
公式URL:https://www.nanukamachi.com/
幕末・戊辰戦争の舞台の一つ:若松城(鶴ヶ城)
若松城は約630年前に建てられたお城です。特徴は日光に当たると鈍い赤色に輝く天守閣の瓦で、日本百名城の1つにも数えられています。
1868年の戊辰戦争では新政府軍の激しい攻撃に耐えられたものの損傷が激しく、現在見られるのは建て替えた建物が中心です。
一部は建て替え以前の建物が残っているため、城内を散策して探してみてください。天守閣の中には資料館が併設されており、主に幕末の戊辰戦争に関する展示を鑑賞できますよ。
観光情報サイト:https://www.tsurugajo.com/
市街地から少し離れた自然豊かな温泉地:東山温泉
東山温泉は飛鳥時代~奈良時代にかけて活躍した河内国(現在の大阪府の一部)出身の僧侶・行基が発見したとの伝承が残る、歴史ある温泉地です。周囲は森林に囲まれており、温泉のぬくもりと自然のマイナスイオンで体の奥からリフレッシュできます。
日帰り入浴ができる温泉宿は10カ所近くあり、浴場の雰囲気は宿によってさまざまです。ぜひお気に入りの場所を見つけて、会津若松市内を動き回って疲れた体を癒してみてください。
温泉街の中には食事処もあるため、温泉に入った後で夕食を食べるのもおすすめです。
観光サイト:https://www.aizu-higashiyama.com/index.html
まとめ:会津若松市をぐるりと巡るリフレッシュデート
今回は、福島県立博物館を中心に会津若松市内を周遊するデートプランを紹介しました。
福島県立博物館は縄文時代~近現代までの福島県の歴史を紹介している博物館で、常設展示の内容が充実していると評判です。出土品や模型などを通じて、福島の歴史的な魅力を発見できますよ!
博物館の前後に訪れる七日町や若松城、そして東山温泉も、福島の歴史に触れられる見どころいっぱいのスポットです。
デートで会津若松市を訪れる際は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。