【静岡県】「島田市博物館」発!島田市・大井川流域の学びとレジャー満載ドライブデートプラン

今回は、静岡県島田市にある「島田市博物館」をめぐり、歴史や文化を学び、自然の中でくつろぐドライブデートプランを紹介します。

島田市中心部から西に1.8キロメートルの大井川河川敷近く、旧東海道島田宿を再現した国の史跡「島田宿大井川川越遺跡(しまだしゅくおおいがわかわごしいせき)」の街道沿いにある「島田市博物館」。ここでは、静岡県中部に位置する島田市の歴史や文化、芸術について学ぶことができます。

今回は、博物館の主任学芸員の方に見どころを聞きながら「島田市博物館」の魅力とおすすめのデートプランをご紹介します。

このデートプランの特徴
向いてる年代:20歳〜59歳
おすすめカップル:歴史や文化好きなカップル
どんなデート?:学びありのドライブデート
目安時間:半日〜
目安予算:3,000円程度

概要:歴史を学んだ後、SLが見える天然温泉でくつろぐドライブデート

島田市博物館本館の外観

江戸時代の大井川は、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と謳われていました。当時は川を渡るための橋や舟がなかったのです。そのような状況の中、旅人がどのように行き来したのかを島田市博物館では学ぶことができます。

歴史について学んだ後に実際の大井川や現在川にかかっている橋を見てみると、江戸時代から今につながる進化を感じることができるのではないでしょうか。

さらに博物館を見た後には、2人で美味しいものを食べたり、島田ならではの景色を見たりして感動を分かち合いましょう。

9:00~10:30 島田市博物館を見学
10:30〜11:00 蓬莱橋までドライブ、散策
11:00~11:40 蓬莱橋から川根温泉までドライブ
11:40~ 温泉や散策を堪能

島田市博物館の入館料は1人300円です。企画展や特別展は別途発生する場合がありますが、本館か分館のいずれかで入館料を購入すれば、両方見ることができます。島田市博物館の後に、おすすめの川根温泉に入る場合は、1人520円で利用可能です。

島田市博物館や蓬莱橋、温泉施設でお土産を買ったり食べ歩きをしたりして、合計3,000円〜3,500円ほどの予算で楽しむことができますよ。

それでは、さっそくデートプランのメインとなる「島田市博物館」から紹介しましょう。

川越しの歴史を学び江戸から昭和の文化を感じる島田市博物館

島田市博物館本館の常設展示室・島田大祭の大奴
▲島田市博物館本館の常設展示室・島田大祭の大奴

東海道五十三次や大井川のことは何となく知っていても、江戸時代の人がどんなふうに川を渡って行き来していたかを学ぶ機会にはなかなか恵まれないのではないのでしょうか。

今回メインで訪れる島田市博物館は「旅と旅人」をメインテーマとしています。人はなぜ旅をしたのかを考え、江戸時代後期の大井川や島田宿、川越しの様子や川留め文化を常設展示し、紹介しています。

日本家屋風の瓦屋根を持つ2階建ての本館は、1階が常設展示室、2階が企画展を開催する展示室という構成です。1階では、島田宿・川越し・島田髷などの常設展示を見ることができます。歴史資料だけでなく近・現代の絵画・陶芸・工芸作品などの美術工芸品などのコレクションを見て、江戸から昭和までの時代の流れを感じ取り、豊かな気持ちになれます。

また、本館の北東約200メートルの街道沿いに分館があり、3つの施設が併設されています。川越遺跡の東側に隣接し、明治時代に建築された旧家を現状のまま復元保存した建物を利用、展示室を増築して平成12年に開館しました。

民俗資料室 市民寄贈の民俗資料(生活用品、工具、農具など)を収蔵
明治日本家屋 1890年(明治23年)に建てられた古民家「旧桜井家住宅」を復元公開
海野光弘版画記念館 静岡市出身の版画家・海野光弘(1939~1979)を顕彰
遺族から島田市に寄贈された作品を収蔵・展示

このように学びどころ満載の島田市博物館の魅力を、主任学芸員である朝比奈太郎さんにお聞きしました。

大井川に橋がなかった時代の“川越え”する工夫が見どころ

島田市博物館本館・常設展示室の入り口
▲こちらが常設展示室入り口です

編集部

常設展示では江戸時代の大井川の川越しを中心に紹介しているとのことですね。早速ですが、見どころについて教えてください。

朝比奈さん

大井川に橋がなかった時代、川を越えるために人々は「川越し人足(かわごしにんそく)」に頼まなければなりませんでした。当時の大井川を越える仕組みや、松尾芭蕉など島田宿と縁のある人々などについて紹介しているので、江戸時代の旅の様子と共に見てください。

また、川越しには苦労話がつきものでした。その一方で川越しが結んだ文化交流もありました。川越しを通じて、大井川はさまざまなエピソードを生み出してきたのです。

ただやはり、大井川の川越しは正直なところ命がけでした。当然、川を越える料金も安くはなかったのです。それでも人々はなぜ旅をしたのか、どのような想いで大井川を越えたのかを感じていただければ幸いです。

島田市博物館・常設展示室の旅人のコーナー
▲川越しをする人のいでたちを確認できる旅人のコーナー

島田市博物館本館の展示(島田髷・川越しコーナー)
▲島田市博物館本館の展示(島田髷・川越しコーナー)

編集部

命がけの川越しをするために、当時の道具も工夫がされていたかと思います。本館には当時の様子を伝えるものが多く展示されているかと思いますが、朝比奈さんが特に好きな展示品はありますか?

朝比奈さん

博物館の展示品では、大井川を越えるのに使った連台が気に入っています。ハシゴのような形をした台を連台といいます。この上に旅人が乗り、それを4~6人が担いで川を渡っていました。お客さんからも「連台を使ってどのように渡ったのか?」「怖くなかったのか?」という質問をよく投げかけられます。

島田市博物館の本館と分館はテイストが違って2倍楽しめる!

編集部

島田市博物館の本館から、北東約200メートル街道沿いに行ったところに分館もありますね。分館の魅力や見どころはどんなところでしょうか?

朝比奈さん

本館を見学した後、隣接する川越遺跡を歩いて博物館分館に行く際は江戸時代の東海道を旅した気分を感じてみてください。分館では海野光弘の版画や民俗資料を見て、昭和の日本を感じることができます。

今のご時世で実際にあちこち旅行することは困難ですが、島田市博物館・川越遺跡・博物館分館を巡って、心の中で江戸時代から昭和期までのタイムスリップを楽しんでください。

また分館では、海野光弘の木版画作品や明治期の日本家屋がおすすめです。海野光弘の木版画作品は、どれも懐かしい雰囲気があり、何回見ても癒されます。

島田市博物館分館の日本家屋
島田市博物館分館の旧桜井家住宅(日本家屋)

編集部

島田市博物館では、企画展を毎年されていますね。

朝比奈さん

企画展は、年4回ほど開催しています。

博物館分館では、静岡市出身の版画家・海野光弘の作品を展示しています。よく作品の題材に使われている、昭和期の日本各地の古民家がある風景を見ると、時を超えたような感覚を楽しめるのではないでしょうか。

編集部

お話をうかがっていると、島田市は歴史や文化が息づく場所なのだということをあらためて感じます。そんな島田市の魅力が詰まった島田市博物館は、学びを求めるカップルにぴったりのデートスポットといえそうですね。

島田市博物館デートでは、記念撮影やワークショップも楽しめる!

編集部

島田市博物館にデートで訪れた際に、展示品鑑賞以外にも違う楽しみ方があれば教えてください。

朝比奈さん

まず本館のほうですが、2階から一望できる大井川とその向こうに広がる牧之原の茶畑が印象的なようです。また駐車場脇には連台越しのモニュメントがあり、ちょっとした写真スポットになっています。

島田市博物館の連台越モニュメント
▲連台越モニュメントでは、多くの方が記念撮影をしています

分館では、国の「登録有形文化財」に指定されている日本家屋がおすすめです。明治期の古民家で、1階は男性的な太い柱が何本も立ち、2階はお茶室風の「おもてなし」のための部屋です。

1階の縁側に腰かけ、あるいは2階から中庭を見下ろすアングルは和の空気感に彩られており、SNS映えすること間違いなしのおすすめフォト・スポットです。お互いに撮り合うもよし、カップルで自撮りしても、雰囲気のある写真が撮れるでしょう。

島田市博物館分館の日本家屋

編集部

カップルで楽しめるワークショップの開催などもありますか?

朝比奈さん

ワークショップについては、博物館本館で毎月第2日曜日に「しまはくワークショップわくわくアトリエ」を開催しています。加えて、博物館分館では、昔の道具を体験する「ちょっと昔のおもしろ体験」を実施しています。

詳しくは島田市博物館HPをご覧ください。→島田市博物館公式HP

島田市博物館分館・海野光弘版画記念館の外観
▲海野光弘版画記念館。和風の日本家屋とは対照的に南欧風の建物をイメージ

編集部

版画家の海野光弘は39歳という若さで急逝したものの、版画家として第一線で活躍されたそうですね。作品は他にスイスプティパレ美術館、シカゴ美術館、浜松市美術館等にも所蔵されているとのこと。

白を基調とした記念館の建物も、日本家屋とは違った美しさがあり、くつろぎのひとときを過ごすことができそうですね。

これから来館されるカップルへのメッセージ

編集部

デートで来館を予定しているカップルやご夫婦の皆さんにメッセージをお願いします。

朝比奈さん

博物館本館と川越遺跡では江戸時代を、博物館分館では明治~昭和期の雰囲気をと、ちょっとした小旅行の気分を味わってください。川越遺跡では「この建物は何のためにあった?」「なぜこの人物ゆかりのものがあるのか?」など想像を膨らませてもらえると楽しめると思います。

また博物館に隣接する建物では、市民団体が有料で着物を貸し出したり、着付けを手伝ったりしてくれます。川越遺跡を歩けば、より小旅行の気分が楽しめるかもしれません。

島田市博物館近くの街道沿いにある川会所(川越遺跡)
▲島田市博物館近くの街道沿いにある川会所(川越遺跡)

島田市博物館近くの街道沿いにある札場(川越遺跡)
▲島田市博物館近くの街道沿いにある札場(川越遺跡)

島田市博物館沿いの通路・川越遺跡を西から見たところ
▲島田市博物館から西側に見える川越遺跡の様子

島田市博物館沿いの通路・川越遺跡を東から見たところ
▲島田市博物館から東側に見える川越遺跡の様子

編集部

正直いうと、これまで「川を越える」ことについて深く考えたことはありませんでした。時代が違えば生活環境が違うことはわかっていましたが、川を越えることにまで考えが至っていなかったので、新しい価値を与えられた気がします。本日はありがとうございました。

島田市博物館の口コミ・感想

島田市博物館近くの街道沿いにある三番宿(川越遺跡)
▲島田市博物館近くの街道沿いにある三番宿(川越遺跡)

島田市博物館について、編集部でGoogleやポータルサイトなどのリアルな口コミ、感想を調べてみました。

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展示が充実しており、お庭も綺麗だった
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お得な入館料でしっかり学べた
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風情のある街道をお散歩できてデートにぴったり

島田宿や川越し制度についての学びに感動する声や、分館の昭和初期の展示に感動する声など、全体的に好評のコメントが寄せられていました。

島田市博物館の基本情報

公式サイト https://www.city.shimada.shizuoka.jp/shimahaku/
住所 【本館】
〒427-0037
静岡県島田市河原1丁目5番50号

【分館】
〒427-0037
静岡県島田市河原2丁目16番5号
アクセス 【公共交通機関】
■JR島田駅北口から路線バス
「金谷島田病院線(金谷駅行)」
■JR島田駅北口からコミュニティバス
「川根温泉線(川根温泉ホテル行)」
→向島西川越し街道入口バス停下車、徒歩10分

■JR金谷駅から路線バス
「金谷島田病院線(島田市民病院行)」
→向島西川越し街道入口バス停下車、徒歩10分

※路線バスは平日のみ運行。コミュニティバスは土日祝日も運行。

【車】
国道1号線バイパス旗指インターまたは向谷インターから約2.5km(約5分)。
旗指インター・向谷インターから南へ直進し、県道381号線(旧国道1号線)を西に大井川まで進み、信号を左折して500m
開館時間 9:00~17:00
(入館は16:30まで)
休館日 ・月曜日(祝日の場合は翌日)
・年末年始(12月26日から1月3日まで)
・臨時休館日
駐車場 無料駐車場有
(バス大型4台、一般47台)
料金 一般300円
(観覧券は本館・分館のどちらでも購入可能。本館・分館とも観覧可)

※特別展・企画展の料金は、その都度定める場合がございます。
電話番号 (本館)0547-37-1000
(分館)0547-34-3216

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

島田市博物館の後に行きたい、おすすめデートスポット

今回紹介する島田市博物館を見た後のおすすめデートスポットは、周辺エリアに詳しい朝比奈さんがオススメしてくださった蓬莱橋(ほうらいばし)と川根温泉です。

蓬莱橋は、博物館から大井川の堤防道路沿いに3kmほど下ったところにあります。ギネスにも認定されている、明治期に原型がつくられた世界一長い有料の木造歩道橋です。川根温泉は蓬莱橋から大井川に沿って遡ることになりますが、疲れをいやすのにぴったりで、運がよければSLを見ることができるとのこと。

おすすめのデートスポット

蓬莱橋

島田市博物館から車で5分ほどの所にある蓬莱橋は、全長897.4m、通行幅2.4mの木造歩道橋です。1997年に「世界一長い木造歩道橋」としてギネスブックに認定されています。時代劇をはじめテレビドラマやバラエティ番組にも登場し、全国的にも有名です。

蓬莱橋のたもとには橋の長さにちなんだ名前の「蓬莱橋897.4(やくなし)茶屋」という土産物屋さんがあり、地元産の原料を使ったジェラートも楽しめます。

住所 〒427-0017
静岡県島田市南2丁目地先
アクセス 島田市博物館より県道を東に約4km
営業時間 9時~17時
駐車場 無料駐車場有
電話番号 0547-32-9700

※蓬莱橋は24時間通行できます。蓬莱橋897.4(やくなし)茶屋のご案内をご覧ください。

道の駅「川湯温泉」

蓬莱橋から再び県道をさかのぼり、車を40分ほど走らせると地元の情報発信を見たり食事をとれる道の駅「川根温泉」があります。露天風呂からSLが見える日帰り温泉「ふれあいの泉」や全棟温泉付き「ふれあいコテージ」のある複合型の道の駅で、のんびりと過ごすことができます。

地元の生産者が丹精込めて育てた生鮮品や手作りした加工品をお土産として購入したり、川根茶の手もみ体験教室に参加したりすることもできます。

住所 〒428-0101
静岡県島田市川根町笹間渡220
アクセス 蓬莱橋から県道64号線で約35分
営業時間 【本館売店】
月~金:10:00~17:00
土日祝:10:00~20:00
※食事施設等、各施設で営業時間は異なります
休館日 なし
(温泉施設のみ火曜日、ただし年始など変動あり)
問い合わせ 温泉:0547-53-4330
コテージ:0547-53-4110
公式サイト http://kawaneonsen.jp/about

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

まとめ:大井川流域の歴史や文化を学べるドライブデート

今回は、江戸時代から昭和の雰囲気を学び、食や温泉なども楽しむドライブデートをご紹介しました。川沿いの異なる風景を満喫できる、学びとくつろぎのプランはカップルにおすすめです。島田市にお住まいのカップルはぜひ楽しんでみてください。